8b86a811.jpg 『5月24日のウォールストリートジャーナル』に興味深い記事が載っていた。

 参考になるような気がします。

 【ボストン】バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が打ち出した巨額の金融刺激策「量的緩和第2弾(QE2)」――。費用は税金6000億ドルだ。米国経済を救うはずだった。しかし、必ずしも計画通りには機能していない。
 QE2が始まって以来、米労働省によると、常勤雇用者数は昨年8月の1億1180万人から1億1250万人と、わずか70万人しか増加していない。1人85万ドルだ。パートタイム雇用者数は昨年8月以降、60万人減少した。言い換えると、基本的には、60万〜70万人の労働者がパートから常勤にシフトしただけなのである。
 住宅価格はQE2実施前よりも低下した。経済成長は鈍化し、インフレ率は上昇した。
 株価の高騰でさえも外見と実態は違っている。QE2実施中のスタンダード&プアーズ500種株価指数(S&P500)の上昇分の大半は、ドル安でドル建て株価が膨らんだからにすぎないことを、分析は明らかにしている。
 真実はどこにあるのか。QE2は、株から金に至るまで、ドル建て金融資産に新たなバブルをもたらした。一方で、実体経済への目に見える効果は皆無だ。
 住宅部門は二番底入りしている。米不動産業者協会(NAR)によると、QE2実施直前の昨年8月の中古住宅価格は平均17万7300ドルだった。今の平均価格は16万3700ドル。8%値下がりした。
 経済成長は鈍化した。国内総生産(GDP)成長率は、昨年夏の2.6%に比べ、現在は1.8%まで低下している。
 その一方で、インフレはQE2前の1.2%から、現在は3.1%に上昇した。
 その一方、QE2は、全てのドル建て資産に、完全に人為的なバブルをもたらした。株式市場に注目すると、バーナンキ議長がワイオミング州ジャクソン・ホールでQE2の計画を公表した昨年8月27日以来、S&P500は26%も上げている。
 この点に関しては、今のところうまくいっていると思うかもしれない。ところが、それは錯覚だ。実態は、ドル安を映した株高にすぎない。
 強い通貨で換算すると、株式市場の高騰がそれほど驚異的なものではないことが分かる。S&P500の8月27日以降の上昇率は、スイスフラン建てでわずか8.4%だ。スウェーデン・クローナやオーストラリア・ドルなどで計算すると、上昇率はさらに小さくなり、金建てでは4.5%にとどまる。
(筆者のブレット・アレンズは、マーケットウォッチとウォール・ストリート・ジャーナルのパーソナルファイナンス・セクションのコラムニスト)