フリチョフ・ナンセンというノルウェーの冒険家、後に政治家になった人の、北極冒険と現代の北極の海水や氷山の研究家について一昨日NHKの夜の特集番組で放送していた。
 
 重要な事は地球温暖化が著しく、ナンセンが19世紀最後の頃に北極点を目指して挫折した頃、北極の氷の厚さは10mを超えていた。それが現在は1mぐらいで、氷の古さはナンセンの頃の数年たった氷と、現在の1年物とでは、氷のもちが全然違うという事。恐らく、今年の夏は、北極の氷が殆どなくなってしまうであろうという事!

 大変なことである!!

 またグリーンランドという、氷で追われた大地があるが、そこの何ギガトン(10億トン)の氷が全部解けるという事があれば、それだけで地球の推移は6〜7m上昇するそうである!!
   ・・・これも大変!!
      ・・・勿論グリーンランドの氷が全部解けるという事が起こるという事は、南極だとか、アルプス、ヒマラヤとかの氷河も同じように溶けるという事が前提であろうから、これだけではすまないし、その数字は何十メートル??という事になるのであろう!!

 ある報道の見出しでは「Greenland goes green」というのを見かけた
   ・・・とんでも無い事である!!

 一方で私が感動したのは、ナンセンの北極冒険のときに、彼の洞察と実行力、類稀な決断力である!!!
 ・・・彼は31歳のときに冒険に出る。氷で覆われた、気温マイナス50度にもなる北極点への目指し方は、その頃北極海で遭難した船が、オホーツク海方向からグリーンランド方向へ数年かけて流れてきたという事件があったそうである。それをヒントにナンセンは非常に強固な木造船を作って、オホーツク海方向に船を出し、北極の氷に突っ込む。
 ・・・そしてその船は氷が厚くなり船をつぶしそうになると、その圧力で船が氷の上に競りあがるような構造にした。
 ・・・北極点を目指して帰還するまでの期間は3年を予定し、その間の食料はイヌイットのように、アザラシなどの生肉を食べて、壊血病などにならないような食料を現地調達する。
 ・・・途中で船の位置が北極点からそれている事に気付いたら、自分は船を離れて、犬ぞりで北極点を目指す
 ・・・しかし無理であると断念する
 ・・・凍傷などになりながら徒歩で5ヶ月かけて陸地に到達する
    ・・・想像を絶する、まさしく本当の冒険家であったと私には思え、大きな感動を覚えた!!!
       ・・・素晴らしい!!

 そこであらためて私が認識した事は、地球の沢山の現象は水という地球に沢山ある物質であるが、この物質の極性という特性から沢山の恩恵を得ているという事である。
 何を言っているのか判りにくいかもしれないが、水という物質の最大の特性は、分子レベルではへの字のような形で、酸素をちょうつがいのようにして2個の水素がついている形をしている。そのような構造は電機的にプラスとマイナスの方向が出来ます(極性という事)。その影響で、極性が無い物質では、温度が低下するのに応じて振動が少なくなる関係で、体積は段々と小さくなります。しかし水は、摂氏4度のときが一番体積が少なく、その融点である摂氏0度で固体になります。つまり温度の低い氷は、温度の高い氷より体積が大きくなります。この性質をナンセンは利用して北極点を目指したのです。

 ・・・他にも沢山の事が水の極性の恩恵にあずかっている事があります・・・!!