56b1690a.JPG 平成20年7月9日の朝日新聞の夕刊に載っていた記事の紹介である。
 信州大学の地質学の公文教授の研究業績である。

 長野県の野尻湖の湖底の土を採取して、約7万年前の旧石器時代から縄文時代にかけて、花粉として針葉樹と、広葉樹、さらに杉の花粉の比率を分析した。その時間の間隔は、今までの考古学では実現できなかったほど、細かく観察をしたものとの事。

 重要なことは、
(1)7万年前からしばらくは針葉樹の花粉が多く寒かった。
(2)しかし急速に広葉樹の花粉の比率が上昇するという時が少なからずあったという事。結構急激に短い周期で地球の気温は変動を繰り返していたという事を示している。
(3)そして縄文の頃から現代にかけては広葉樹の花粉の比率が非常に増えて温暖な気候であるという事。
(4)マンモスの絶滅説に人間の乱獲説があるが、化石によると寒冷を好むマンモスと、温暖を好むナウマンゾウの化石が同じ地域から出土するのを見ても、マンモスの絶滅は気候の変動によるものとする説が有力視できるという事。

 大変重要で示唆に富む研究成果であると思う。

 今年の夏は、北極の氷が消失する可能性が指摘される中、きっとホッキョクグマは絶滅してしまうのであろう・・・

 しかし最も私が危惧するのは、現在の我々が経験しつつある気候変動、地球温暖化は、この研究における現在でも少ないながら存在する針葉樹の花粉の比率が、今後殆どゼロ%になり、更には広葉樹の花粉もなくなっていってしまう、野尻湖近辺が砂漠と化してしまう可能性があるのではないかということである!!
 ・・・そのような時期はこの研究で示された7万年の期間には存在していない!!
    ・・・勿論現在問題とされている地球温暖化は人為的なことある。そしてその深刻さは、最近数万年の地球が経験したことが無いほどの未曾有の温暖化が襲ってこようとしているである!!